
植物を見ていると、それが、ただ地上にある存在ではないように感じることがある。
根を張り、土に支えられながらも、どこか、空に向かって開かれている。
ルドルフ・シュタイナーは、植物を、宇宙の力を地上で体現したものとして捉えている。
太陽や月の満ち欠け、天体の動き、見えないリズムのようなものが植物の成長と無関係ではない、という見方である。
そうした視点に触れると、作物を育てるという行為もただ土と向き合うだけではなく、空に意識を向けることでもあるように思えてくる。
シュタイナーはまた、植物の姿と人間のあり方とをどこか呼応するものとしてみていた。
「人間は逆転した植物」とも表現している。
根、葉、花や実。それぞれのはたらきを人の内側の働きに重ねてみると、これまでとは少し違った見え方が立ち上がる。
思考、感情、意思。
それらは、頭の中だけで起きているのではなく、体のあちこちに分かれて全体として現れているのかもしれない。
植物が、その全体で生をあらわしているように、人もまた大きな流れの中にあり、その一部として生きている。
すべてを理解することはできなくても、そうした見方に一度身を置いて見ることは、自分がどこに立っているのを見つめ直す一つの手掛かりになるのかもしれない。
→ まとめに戻る

