第2層ー1 草を見る。この土は今、どんな状態なのか

→ 前回の記事は「福岡正信「わら一本の革命」との出会い」

今、足元の土はどんな状態だろう。生えている草は、その答えを知っている。

ここでは、日々の暮らしの中で、「家周りの土を、自然循環の中に取り戻す」という視点で考えてみたい。

放任でも、管理でもない、ちょうどいい塩梅の手出し。

草や虫や落ち葉が混ざり合い、変化していく風景を観察する時間は、ちょっとワクワクな楽しみでもある。

荒地が蘇る第一歩

耕作放棄地や原野のような場所では、ススキ・チガヤ・セイタカアワダチソウ・クズなど、多年草を中心とした、数種類の植生になることが多い。

鍬を入れて、表土から20cmにも満たないところで鍬が入らないガチガチの硬い土であれば、一度だけ耕起する必要があるかもしれない。

その後は、できるだけ土を乱さず、地表の草とともに時間をかけて戻していく。

長い時間が必要となる。

草の種類が少しずつ増えていく様子は、土がゆっくり呼吸を取り戻していく過程でもある。

しかし一般的に、家周りであれば、荒地といわれるほどの場所は、少ないのではないだろうか。

酸性度が強く痩せた土壌を手当てする。

酸性度が強く痩せている土壌には、耐性のある植物が自生するが、必ずしも、酸性を好むというわけではない。

スギナ・カタバミ・ドクダミなど。また、メヒシバ・オヒシバのような、イネ科の多年生雑草も多い。

酸度の強い土壌は、植物の成長を阻害するといわれる。

地上の生き物や地下の微生物が減り、有機物の分解が減るため、通気性や水持ちが悪くなる。

そうすると、さらに栄養が減り、ますます酸性が強くなるという悪循環に陥る。

酸性度の強い、痩せた土壌でも育つ作物は、さつまいも・ジャガイモ・枝豆・大豆などとされている。

うちでは、イモ類はまだ経験がないが、枝豆・大豆は発芽はしても、なかなか育たない。

砂が多量に入っていて、栄養分がほとんどないと思われる場所でも、落花生はよく育っている。

養分よりも、水捌けを必要としているようだ。

小さな畑を始めて3年ほどになるが、イネ科の雑草しかなかった土壌に、始めて、ホトケノザを見つけた時の小さな喜び。ひとりで思わずにんまり。

中性よりで多少養分がある土壌には何の種をまこうか

草の種類が、少しずつ増えてくると、微かな光が見えてくる。

カラスノエンドウ・スベリヒユ・ツユクサ・ナズナ などが生えているような場所。

このような場所には、野性味のある、ミニトマト・ケール・サニーレタスなどのように、こぼれ種で生えてくるような作物はよく育つといわれている。

うちでも、こぼれ種のミニトマトやシソ、特に、コンポストから発芽するかぼちゃは、毎年生命力溢れる育ち方で、
貴重な収穫物となっている。

野菜の種は、長い年月の間に、様々な方面から、改良を続けてきたもの。

改良の手数の少ない、原種に近いものが、生命力が強く環境に左右されにくい。

中性で、肥沃な土には、いい循環を作ろう。

つゆ草の群生

何もしなくても草が多様に映える場所は、すでに循環が回っている土ともいえる。

ナズナ・ハコベ・ホトケノザ、などが生えている土は、中性で、有機物や窒素分もあり、肥沃な土壌。

無肥料でも野菜全般が育つとされている。

今年の夏前だろうか、畑の一角に、露草が群生していて驚いた。

一年近く留守にしていたので、その間に飛んできたのだろうか。

土中に眠っていた種が、突然目覚めたのだろうか。

調べてみると、湿度のある有機質土壌に生えるとのこと。

いない間にも、命は息づいていた。

化学肥料で肥沃な土壌に、自然の循環を取り戻す 

化学肥料や農薬を使っていた肥沃な土壌を、自然のバランスの中に戻すには、数年が必要である。

化学肥料も農薬も耕すことも一切やめ、
地上の部分だけ刈り取った草を土の表面に被せ、その上で、様々な種類の種を撒いていくことになる。

収穫に一喜一憂することなく、気長に見守りただ待つ。

気がつけば、草は季節ごとに年ごとに少しずつ変わっていく。

自然の循環の中に、そっと加わっていく。

→ 次回の記事は「作物の種類を知り、配置を考える」

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