旧暦で知る季(とき)の移ろい

今日6月26日は、旧暦では5月12日にあたる。

「皐月」という月の名前

月名は「皐月」—さつき。 

田植えの季節で、早苗を植える月なので「早苗月」とも呼ばれる。

他にも、

梅しごとをする時期を表す「梅月」

菖蒲の花が咲く頃で「菖蒲月」

などの呼び名もある。

皐月の「皐」の字は、田の神や、神に捧げる稲を表しているそうだ。

この時期は雨が続いて月が見えない日も多いため、月の出ない闇夜を「五月闇」—「さつきやみ」と読んだという。

そもそも旧暦は、月の満ち欠けを基準に作られている。

日々欠かすことなく月を見上げていたであろう人々の暮らしが垣間見える。

二十四節気と七十二候

一年を24等分して季節を表す「二十四節気」では、6月21日から「夏至」の期間に入っている。

一年で最も昼の時間が長い時期だ。

二十四節気をさらに5日おきに細かく分け、季節の動植物や気象の変化を表した「七十二候」では「菖蒲華(あやめの花咲く)」にあたる。

地球温暖化が進み、気象状況が変化していると感じられる昨今だが、「七十二候」とのずれを感じることはほとんどない。

自然のリズムにかなったものであることを実感する。

暮らしに根づいていた和暦

私は2000年代の初め頃から「旧暦日々是好日」という暦を愛用しているが、季節や気象、動植物を表す言葉の美しさにはいつも心震える。

季節の移ろいを的確に区分し、農事作業や漁業などの指針とし、暮らしを彩る行事を散りばめた暦は、江戸時代後期には、ほぼ一家に一つというほどに普及していたという。

森羅万象に畏敬の念を抱き、万物に神が宿ると考えてきた日本人の観察眼と一体感は、さまざまな領域で奥深い「美」を生み出してきた。

自然界の精妙な摂理

この自然界には、人間には計り知れない精妙な摂理が存在している。

「和暦」と共にある暮らしは、現実とは別次元の静かで深淵なる世界を垣間見せてくれる。

それは、効率や合理性だけでは測れない、もう一つの流れだ。

月や季節の声に耳を澄ませることで、私たちは自分自身もまた、この自然の中にある一部であることを思い出すのかもしれない。

*初期の頃からは、名前もレイアウトも大きく変わったが、文章も素晴らしく挿絵もいっぱいでおすすめの和暦です。興味のある方はどうぞ。