第1章 植物のコミュニケーションツールは匂い?
植物は、それぞれに独自の匂いを放っている。
言葉を持たない植物にとって、
匂いは、
周囲の環境や他の植物、昆虫などとの
重要なコミュニケーションツールとなっている。
害虫に襲われた植物は、
そのことを知らせる匂いを発する。
すると、周辺の植物が察知し、
防御遺伝子の活性化で葉を硬くしたり、毒成分を出したりして
防御体制を取る。
遺伝的に近い関係にあると、
より強い防衛反応を示すらしい。
「昆虫にかじられた」という匂いを発して、
その虫の天敵を呼び寄せ、害虫を駆除してもらう。
というようなこともしているらしい。
受粉の時期には、
花の匂いで、花粉を運ぶ昆虫を呼び、
果実の匂いで、種子を運ぶ鳥や動物を呼び寄せている。
我々は、言葉を持たない生き物に対して無頓着になりがちだが、
全ての生命体は、
それぞれの能力を持ち、助け合いながら
懸命に生きている。
第2章 植物の世界も、助け合いと競争
コンパニオンプランツ
植物の世界でも、近くに存在するもの同士は、
様々な影響を与え合うが、
近くに植えることで、
お互いに良い影響を与え合う相性の良い関係をいう。
コンパニオンプランツには、
⓵害虫・病気の防除
②土壌・環境改善
の、大きく2つの効果が見られる。
①の害虫・病気防除には、
ハーブ類やセリ科、キク科、シソ科のように
強い香りで虫を遠ざける植物があり、
ex トマト × バジル
②の土壌の養分を供給する豆類や、
ex ピーマン × 落花生
根から出る物質が、土の中の病原菌を減らす
マリーゴールドや長ネギなどのような植物がある、
ex トマト × ニラ
キュウリ × 長ネギ
また、
背の高い植物と低い植物を組み合わせることで、
有効な空間利用ができる。
ex トウモロコシ × エダマメ
このように、いろいろな組み合わせ方があるが、
コンパニオンプランツは、
科学的に解明されているものは少なく、
経験的にいわれているものも多い。
実際に栽培しながら観察し、確認していく楽しみもある。
第3章 植物と動物との相互作用
植物は、動けないことで、
ただただそこに在って、受け入れるだけの存在にも見えるが、
実は、
したたかで絶妙な生存戦略を持っている。
昆虫や鳥、小動物に
受粉の媒介をしてもらうことで実を付け、
種子の移動散布を委ねて、生息範囲を広げる。
その報酬として、蜜や果実を提供している。
一方で、
毒や棘をもって、
それらの食害から身を守る術も備えている。
植物は、
土壌中の無数の微生物とも、共生関係にある。
植物の根は、光合成で生み出した炭水化物を分泌し、
微生物のエネルギー源とし、
微生物は、窒素やリンを植物に提供して、
成長を助けている。
また、
病原菌から植物を守る機能も果たしている。
私達がなかなか認識しえない世界で、
日々繰り広げられている生命の営み。

