芽吹きの春。ようやく寒さが緩み花開く気持ちの良い季節になった。
近年はこの気持ちの良い季節がほんとに短くなった。あっという間に暑くなり、あっという間に寒くなる。
束の間の幸せな時期。
春の食材
春キャベツ・わけぎ・菜の花・新玉葱・スナップエンドウ・タケノコ・からし菜・アスパラ・
セロリ・絹さや・グリンピース・チンゲンサイ・ニラ・アサツキ・クレソン・パセリ・赤かぶ・豆苗・豆もやし・マッシュルーム・しいたけ・たらの芽・よもぎ・せり・ふき・つわぶき・ふきのとう・うど・せり・明日葉・たんぽぽ・わらび・緑茶・甘夏・八朔・デコポン・キウイ・わかめ・ひじき・アサリ・ハマグリ・イカ・サクラマス・ブリ・さわら・舌平目
今は多くが通年になっているので季節感も曖昧だが、なるだけ旬の多く出回っているものを食べたい。経済的でもある。
食材に関しての考え方は、西洋と東洋、中国と日本ではかなり異なる。西洋医学では食材の栄養素に注目し、それぞれ必要に応じた量をバランスよく摂取することが重要だとされている。日本の健康指標も、今はその考え方によるものである。
食の陰陽
日本は古くから中国の影響を受け、生活のあらゆる場面で陰陽を基礎としており、食においてもそのバランスをとり中庸であることを良しとしている。
日本での食の陰陽といえばマクロビオティックの分類に代表されるが、マクロビオティックにおける陰陽は、食品の中のカリウムの多さ(=陰性)とナトリウムの多さ(=陽性)で分類している。
それぞれの中で酸性・中庸・アルカリ性に分けられ、中医学の陰陽の考え方とは異なる。
中医学では陰陽に加えて五行の他、五性、五味と多岐にわたっている。まず個体の状態ありきで、状態に対して個々に対処法を考えていくので、より複雑で専門的な力が必要とされる。
日常的な、健康を意識した食生活のバランスをみるときには、マクロビオティックの分類表が便利。
いずれの場合も全ては「中庸」を良しとしており、料理とは様々な手法で中庸化させる手段だとも言えるだろう。
日本でも食の西洋化が進み、肉を中心とした食生活をしている割合の方が多いのかもしれないが、肉は酸性の強い陽性である。
肉を食べる時には、生の緑黄色野菜(アルカリ・陰性)を多めに取り、ビネガー、香辛料、オリーブオイルのドレッシングを加え、じゃがいもなどの付け合わせをつけ、食後にコーヒーor紅茶という一連でバランスが取れる。
ただ陽性の強いものに陰性の強いものを合わせてバランスを取るという考え方は✖️なので気を付けたい。
伝統的な日本食は野菜中心である。根もの野菜は中庸に近く、葉物野菜は陰性でアルカリ性なので血をサラサラにするなどの効用がある一方「体を冷やす」という作用もある。
組み合わせを考えたり、火を使ったり天日干しにしたり、塩漬けにしたり、発酵させたりなど手を加えて陽性寄りに変化させているわけだ。
春の食卓
アダムスキー式食メソッドファスト+ニュートラル食は朝食で!
ファストとニュートラルの食材はほんの少し。その中心はフルーツで、野菜はナス科。
アダムスキー式メソッドはイタリアで構築されたものだが、陰陽に当てはめるとファストとされる食材は陰性の食べ物であることに気づく。
陰性の特性から考えても当然消化が速いということになる。
春のファストレシピ
・蒸し煮ラタトゥイユ風
オリーブオイルで生姜・ニンニク・たまねぎをさっと炒め、トマト・パプリカ・ナスなどを加えてしばらく蒸し煮。水または100%トマトジュースを加えて煮込みラタトィユ風にすると陽性寄りにもなっていい一品になる。オレガノで美味しさが増す。
フルーツやフルーツ+ヨーグルトを加え、熱いコーヒーや紅茶とともに朝食に持ってくるのがベストと思われる。
ファストの食材 〜ほぼ全てのフルーツ(アボガドとココナッツは除く)・ドライフルーツ・砂糖漬けのフルーツ・フルーツジュース・ジャム・果実ベースの酒(ワインとグラッパ除く)・蜂蜜・メープルシロップ・ヨーグルト・緑茶・梅干し・トマト・かぼちゃ・パプリカ・唐辛子(カレー粉・パプリカパウダーなども)
ファスト食品はニュートラル食品と一緒に取るのはOK スロー食品と一緒に取ることは✖️
ニュートラルの食材 〜玉ねぎ・ニンニク・ナス・エシャロット・ケッパー・バジルなどのハーブ類、わさび・胡椒・マスタードなどのスパイス、油・酢(ワインビネガーなども含む)・ワイン・ビール・コーヒー・紅茶・牛乳・砂糖・ビターチョコなど。
*生姜もこの枠だと思って使っている。
ニュートラル食品はファスト/スローどちらの食品と一緒にとっても消化を早める効果あり
スロー 〜その他の食品は全てスローになる
春のスローレシピ
汁物
・味噌汁 あさり/ワケギ・新玉ねぎ/わかめ/豆腐・春キャベツ/新玉ねぎ/人参/きのこ類/豆腐など
・新わかめの吸い物 新わかめ/わけぎ
・あさりのチャウダー あさり/玉ねぎ/人参/かぶ/マッシュルーム/雑穀/牛乳or豆乳
・塩麹スープ 春キャベツ/セロリ/マッシュルーム/新玉ねぎ/人参
・サンラータン たけのこ/椎茸/絹ごし豆腐/たまご
飯物
・あさりご飯 あさり/しょうが/ごぼう/椎茸/人参/油揚げ/小ねぎ
・グリンピースご飯
・たけのこご飯 たけのこ/油揚げ/木の芽
・ちらし寿司 たけのこ/ゴボウ/椎茸/人参/蓮根/絹さや/ひじき/卵/刻み海苔/えび/かんぴょうetc
・玄米にぎり寿司 たけのこ/貝割れ/椎茸/たけのこ/卵/えび etc
和え物
・白あえ わらびとたけのこ ・ ひじき/こんにゃく/人参/青菜
・酢味噌 いかとワケギ ・ タケノコと新わかめ
・胡麻和え からし菜 ・ 菜の花 ・ 春キャベツ
・酢の物 赤かぶ ・ 春キャベツ
炒め物
・豆苗/豆もやし/ニラ/ニンニク/生姜/豚肉 のオイスター炒め
・春キャベツと豚肉のニンニク味噌炒め
煮物
・つわぶきの佃煮
・牛肉と春ゴボウと生姜の甘辛煮
・若竹煮 たけのこ/新わかめ
焼き物
・さわらの味噌漬け
・山菜天ぷら
・桜海老のかき揚げ
サラダ
・季節の野菜いろいろ
春キャベツをたっぷり使ったパスタは特にこの時期のおすすめ!キャベツと魚介類・バジルがよく合う。
この時期気をつけたい食べ合わせのNG
日本では古くから食べ合わせについての伝承がいろいろとある。その多くは、体を冷やすことや消化吸収を阻害することを嫌ったもののようだが、体質によってはより注意が必要。
アダムスキー式メソッドでは消化にかかる時間が焦点である。
最近言われている食べ合わせの問題は、科学的側面からの吸収阻害や発癌物質の発生を警告したものが多いようだ。どちらにせよ、命をいただくからには体のために最大限に働いてもらえるような食べ方をしたい。
・トマト×きゅうり きゅうりもアスコルビナーゼを含みトマトのビタミンC壊す。共に体を冷やす。
時期モノではないので特に冷える。
・大根×人参 大根のアスコルビナーゼがにんじんのビタミンCを 破壊
・大根×しらす 大根のリジンインヒビターがしらすのリジンの吸収を阻害
・わかめ× ネギ わかめに含まれるカルシウムの吸収をネギに含まれるリンが阻害する
・きゅうり× 蒟蒻 理由は定かでないが、美味しいと思える組み合わせではない
・エビ×レモン エビに含まれる銅とビタミンCが毒素を発生させるおそれあり
・タコ×梅干し タコは消化に時間がかかる食べ物 スローとファストの観点からも×
・わらび×タコ 中毒の危険あり わらびの過剰摂取も中毒を引き起こす
・紅茶×レモン 紅茶に含まれるカフェインとレモンの防カビ剤が反応して発癌物質発生
・焼き魚×レモン ファストとスローの組み合わせ
・焼き魚×大根おろしも発癌性物質を発生させるという説もある
・緑茶×黒糖 タンニンと鉄でタンニン鉄へ変化 小腸で消化されにくい。
「黒糖かりんとうに緑茶」で魅力的な組み合わせだが、ファスト&スロー的にも✖️
・緑茶×プルーン も黒糖と同じ。コーヒー・紅茶とも一緒に食べないほうがいい
・牛乳×チョコレート カゼインとカカオマスポリフェノールが結合すると吸収されにくい
・牛乳×緑茶/コーヒー/紅茶 タンニンが牛乳のカゼインを凝固させ吸収を阻害。
あるいはカテキンの効果をカゼインが阻害