銀座「空也」の美しい商い。

空也の最中は私の中に根付いている。

小判型の小ぶりな形、品のいい甘み加減、練り込みすぎないさっぱり感、材料は砂糖、あずき、餅米、水飴、塩これだけである。

そして、自宅用10個入りは、素っ気ない無地の小箱に個装することなく二段重ねで並んでいる。

開けた瞬間の写真を撮っておくべきだった!残念。

東京を離れた今、当分買いに行けない。

私はこの自宅用10個入りのビジュアルが一番好きだ。素っ気無いほどのシンプルさが美しい。

最中だけでなく6個入りの季節の和菓子も品よく、おいしく、美しい。

お味にもビジュアルにも増してそのシンプルさが際立つのが、商いのスタイルである。

基本的に予約制。当日残に出会った方はとてもラッキー!

電話1本で予約を受けているので、時に朝からかけ続け午後の2時3時にようやく繋がるということさえある。繁忙期には希望の日に予約できないことも度々。

・配送も一切なし
・カードも不可
・買えるのはこの実店舗のみ
・売り切れごめん
・包材が自宅用と進物用に分けられているだけで”のし”もなし
・お得意様も一見さんも一律条件

見事なまでのシンプルさである。無駄が一切ない。そしてその分を価格できちんと還元されているところも素晴らしい。

時代にも世間にも媚びず、本質だけを残してすべてをバッサリ切り落とした潔さ!

この美しい商いを私はリスペクトしている。

このコロナ禍でどうなのかな?という心配も杞憂に終わった。相変わらずの活気にあふれた店内であった。

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