基本の調味料8品目とその選び方!食生活の要、無添加じゃダメ!

日本は、今や調味料天国。様々な調味料で溢れている。旨味と甘みに毒されているようだ。

甘い果物の開発に余念なく、発酵ブームによって、酵母エキスのような発酵系調味料が体にいいかの如き錯覚に陥っている。

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原材料を確認する

最近、健康思考と相まって、『無添加』表示が目に付く。無添加=体にいいという消費者思考をターゲットにしたビジネスワード。

できるだけ健康的な食べ物を選びたいならば、味覚を決める調味料選びはその土台。無添加表示にとらわれず原材料を確認することが必要である。

食品表示法

消費者庁の『食品添加物表示制度をめぐる事情』を垣間見ただけでも、多くの人は、「少々手間でもなるだけ自分で作って食べよう1」と思うはず。

食べ物を大量生産して流通させるためには、これほどのことが必要なのかと再認識させられる。

法自体の適正も含め、製造過程に何が隠れているのか消費者にはわからない。

酵母エキス

最近特に気になっているのが 「酵母エキス」である。これまた「だしブーム」で無添加と称するだし類が人気だ。食品業界はブームを作るのが上手。日本人はブームに乗るのも上手。

無添加と表記してあるとつい余分なものが入っていないと勘違いするが、何度もしつこいようだが、そこはしっかり原材料をチェックしたい。

無添加をあえてアピールしているものには酵母エキスや蛋白加水分解物などを使ったものが多い。

酵母エキスは、酵母 (日本ではビール残さが多いようだが)に酵素処理などを施して旨味成分を抽出・精製したもので、法律上は添加物ではなく食材扱いである。なのでコストのかかる鰹節や昆布の量を少なくして旨味を出し、しかも化学調味料枠から外れているので無添加が表示できる都合の良い添加物なのだ。

しかし実態はLグルタミン酸と変わらない。あの気持ちの悪い後味。

業界では酵母エキスと塩を入れておけば消費者は喜ぶとまで言われているようだ。クセになるので、この味になれると入っていないと美味しく感じられなくなる。

何がいちばんの問題かといえば、その成分もさることながら、正常な味覚の喪失である。
天然の微妙な旨味を感じられないほど強い味だということは当然塩分過多で、それも精製塩である。

スナック菓子類にも当然入っているのでお子さんには注意が必要だ。小さい子供は味覚がいいので、化学調味料系を1ヶ月も避ければ、そういうものが口に入ると「きもちわる〜い」と言って食べないものだ。

しかし、またそういう物を食べ始めればすぐに馴染んでしまう。

市場におかしなものばかりが出回ると、子供を健全に育てたいと思ってもなかなか難しい。

ビジネスというのは買ってもらわなければ成り立たない。よほどの強い志と覚悟がなければ消費者の嗜好からは外れられないのだ。

なので、消費者が健全に賢くなって業界を牽引しなくてはならないと思うのだが。

常備したい調味料は8品目

品目 原材料表示
砂糖 さとうきび(沖縄諸島や鹿児島産)・てん菜(北海道産)
海水(地名入り)
醤油 大豆・小麦・塩 本醸造
味噌 米・麦・大豆などと麹・塩
玄米や米、りんごなど 国産表示のもの
米・麹 みりんも兼ねて
オイル 食用オリーブ油
だし 昆布・かつお節・いりこなど

基本この8品目でシンプルな原材料表示のものを選べば、とりあえずOK。

他にいろいろ入れるのは、工程の省力化と原材料費を抑えるなどの都合がある。

多少割高だが、いい調味料と食材を使っているとどんどん薄味になっていくし、必要のない、体にも迷惑な調味料を色々買い集めるよりよほど経済的だ。

良い物を少量が原則。

砂糖の選び方

砂糖

きび砂糖か甜菜糖の精製していない茶色系のものを選びたい。

きび砂糖は、ミネラル分を含み、コクがあって煮物などによく合う。

てん菜糖は、品のいい甘さで、フランス料理には欠かせないらしい。ミネラル成分は少ないが、オリゴ糖が含まれていて、GI値が65なので(きび砂糖は100)血糖値が気になっている方には選ぶ理由になるだろう。

同じ茶系でも三温糖は三番煎じの精製糖なので間違いなく!

グラニュー糖・白砂糖を取り出した後の糖液を再度加熱して結晶化したもので、煮詰めたときのカラメル成分の色。

黒糖は砂糖きびの絞り汁をそのまま煮詰めたもので、全く精製していないので栄養分も豊富でコクと風味が強い。料理を選ぶが、災害時の非常食として常備しておくといいのかもしれない。

塩の選び方

まず、結論から言えば自然塩を選ぶということ。流通している塩を大別すると精製塩と自然塩に分かれる。

精製塩とは

海水を電気分解(化学反応)して作られるもので、その成分の99,5%が塩化ナトリウム。ミネラル成分はほぼない。食卓塩や食塩として売られている。

自然塩とは

明確な定義はないが、精製塩ではなく、ミネラル分を含む海水塩や岩塩を一般的には自然塩や天然塩と呼んでいる。

しかし、質的な幅が大きく消費者にはわかりにくいため、個別に「原料」や「製造過程」の表示枠を設けて、消費者にわかりやすく表示することがJAS法で義務付けられている。

塩に関して

塩田
塩田

日本の塩の自給率は11%程度。食用としての塩であればほぼまかなえているものの、工業分野での需要が大きく、主にメキシコやオーストラリアからの輸入に頼っているのが現状。

世界の塩の生産量の約3分の2は岩塩から作られているが、日本では岩塩の取れる場所はなく、海水塩においても、世界の大半で使われている天日塩の手法が使えない。太陽と風の力で水分を蒸発させる天日塩に適した気候風土も広い土地も持ち合わせていないからである。

海に囲まれて容易に塩を得られる状況に見えるが、海水に含まれる塩分は3%、それを煮詰めて取り出すことは容易ではなかったはずで、そういう状況から日本の塩政策は1905年の塩専売制の開始から1997年の塩専売制の終焉まで紆余曲折している。

1941年には、不純物が少なく安価で大量に作られるイオン交換膜製塩法に切り替えられ、塩田による製塩は全て廃止となった。

1997年、自然塩を求める消費者運動などにより、国の塩専売精度が廃止され、今では多種多様な塩が流通している。製造法や原材料枠を確認して選びたい。

だし類

昆布

昆布も品質幅が広いが、普段使いであれば道南産の真昆布あたりだろうか。使い勝手の良い大きさに切っておくといい。

出汁の残渣で佃煮を作ろうと残しておいても、溜まる頃には腐っていたりするので、最近は取り出さないで具材として食べれるよう料理に合わせて大きさを変えて切ってある。

かつおだし

鰹節は
カビ付していないかつお荒節と
カビ付しているカツオ枯れ節の2種類に分かれる。

スーパーなどに置いてあるものはほとんどカビ付していないものだと思うが、
枯れ節や本枯れ節と表記してあればカビ付したもの。

枯れ節の出し汁は透明度が高くまろやかで上品な味わい。香り豊か。

荒節のだし汁は色も濃く力強い味わい。

料理の種類や好みで使い分けるのだろうが、
日常的にはそこまで考えなくて大丈夫。

だしパック

だしパックは手軽で便利なものだが、先にも書いた通り、原材料を必ずチェックしたい。

「昆布+かつお節」や「昆布+かつお節+いりこ」などの原材料を粉にしただけのシンプルな物を選ぼう。

酵母エキスや蛋白加水分解物などが入っていないもの!

にんべんのだしパックは粉ではなく粉砕した物を使っているのでだしが出にくい反面、透明でとても上品。だし汁を取ったあと煮物に入れたりと2度使いできる。

味噌汁など普段使いには取り出さないで入れたままにしておいた方がいいくらい。


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いりこ(煮干し)・干し椎茸

いりこは、頭と内臓を取って使うなどと言われていたので、手間がかかるというイメージだったが、

最近は、新鮮ないりこを粉末にしたものもあり、一振りするだけなのでたまに使っている。

干し椎茸(できれば原木椎茸)の出し汁は栄養素も豊富で旨味みが倍増する。特に麺類のつゆには欠かせない。

あるといいもの

ごま

これはやはり必需品。
酸化しやすいので、本来なら生ごまを自宅で炒ってすり鉢を使うと美味しいし、便利だが、忙しい人たちにはそういうわけにもいかないので、すりごまでも練りごまでもいい。なるだけ製造日の新しいものを常備しておくと、青菜やブロッコリー、白菜、キャベツなど、さっと湯通しして、ごま醤油(ごま+醤油+鰹節を袋ごともんで粉にして少量加えるとまろやかになる)であえると季節の一品になる。

ハーブ塩

ハーブ数種と岩塩だけをミックスしたもの。炒め物やスープの味付けに一振りで味を整えられるので便利。とりあえずこのあたりがあれば、特別凝った物を時間をかけて作らなくても(これはまた別の楽しみ)健康維持のための日々の食事には十分である。

野菜類は蒸したり、焼いたり、さっと湯通しすれば、あとは、オリーブ油+塩麹や、ごま醤油や、酢醤オリーブ油+塩麹+酢で作ったドレッシングなどをほんの少しをかけるだけで本当に美味しくいただける。

あとは、汁物とタンパク源を加えれば豊かな食卓である。

手作りして常備したいもの3品

塩麹・ぬか味噌・みそ

塩麹

塩麹は何より便利な調味料である。炒め物、スープ、肉類はこれだけでも十分美味しくいただける。

ドレッシングもオリーブオイルと酢と塩麹だけで美味しい。あとはお好みでハーブ類やマスタードなどの香辛料を加えてもいい。

塩麹を作るには乾燥麹を常備しておくと保存もきくし、必要な時にすぐに仕込めるので便利だ。

麹と麹の3分の1の量の海塩を混ぜたあと、手のひらですりつぶすようにしっかりこすり合わせ、
麹の1.5倍量の湯冷まし(40度以下)を加えて混ぜ合わせればOK。

蓋付き容器に入れ1日1回素手でかき混ぜ、1〜2週間程度室温に置いて発酵させる。指でつぶれるくらい柔らかくなったら出来上がり。

ハンドミキサーなどで粒をなくしておくとなお使いやすい。

何事も、外から眺めていると大変そうだが、中に入って習慣にしてしまえばなんということはない。

常備しておくものとして一度作って、数回も繰り返せば10分程度の作業である。


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ぬか漬け

これがあると何かと助けになる。忙しかったり、食事の支度をしたくなかったりはよくあること。

そんな時は、ご飯にちりめんじゃこと刻みのりでもかけ、味噌汁とぬか漬けがあればバランスは取れる。

容器と材料を揃え一度作ってしまえば、あとは、味を見ながらぬかを加えたり塩を加えたり、昆布や唐辛子を加えたりと都度都度に調整すればいいことだ。

本格的には、もっとやり方があるのかもしれないが、冷蔵庫保存のやり方が日常的でやりやすい。

少々放っておいても大丈夫。忘れることもやりたくない日もあるでしょ。

長期旅行などの場合は、空気が入らないようぬかに直接ぴったりラップをかけておけばok。

容器は野田ホーローの「ぬか漬け美人」冷蔵庫保存にぴったりの大きさで使い勝手がいい。

ぬかもいろいろあるが、中道農園のものは無農薬有機栽培、新鮮でおいしい。
*米糠は売り切れ中でもリクエストしておけば案内が届きます。

*ぬかは1kgで作るのであれば、2kg用意しておきたい。というのは、漬け込んでいるとすぐに水っぽくなり、少々水抜きしても味が落ちます。

ぬかと塩を加えていく必要があるが、そこでまたぬかを手当てするのは手間だし送料の無駄。

塩は必ず海水塩を使うこと。


野田琺瑯 ぬか漬け美人 日本製 TK-32

味噌

これも年に1度、必ず作っておきたいものの一つ。大豆を煮て潰して麹と塩を混ぜるだけのこと。一度教えてもらいながら作れば、簡単にできる。

昨今は健康志向で発酵食ブームでもあるが、そもそも発酵食品の何が体に有効かといえば生きている菌類である。

しかし、市販されている加工食品は、食品衛生法により加熱などの滅菌をしなければならない。

60度くらいまでしか生きられない発酵菌は果たしてどれくらい生きているのだろう。

味噌に関しても、アルコール処理をするかガス抜きバルブをつけるかしないと熱処理が必要となるようだ。そうしないと発酵が進んで容器が破裂するらしい。

パック包装しないで手包や袋分けしている味噌がたまーにあるが、それはたぶん生味噌。菌が生きた状態で届けたいという誠実な味噌屋さんだと思う。

食は大きなビジネスターゲットで、ありとあらゆるものが出回っている。便利さや、いい加減な健康情報や、旨味、甘味、視覚に訴え購買意欲をかきたてている。

そもそも大量生産で本当に体の役に立つ食べ物を作るのは無理なのでは?と私は思っている。なので、一部分だけ、要の部分だけは手間をかけたい。

これだけ進化した(と人間自身が思っているだけ?)時代でも、何をどう食べれば体の役に立つのかわかっていることはほんの少し。

空気も土も水も汚染され頼るべきものもないが、生かされている限りはできるだけ体健やかに、心pureに、エネルギー全開で生き抜くしかない。

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