六義園は、5代将軍徳川綱吉の時代、信任の厚かった側用人で川越藩主柳沢吉保がこの地を与えられ、7年をかけて1702年に築園したものです。
幕末まで下屋敷として使われ、綱吉も度々訪れたと言われています。
明治に入り、荒れたままになっていた庭園とその周辺を岩崎弥太郎が買い取り、修復整備の後、別邸を構えていました。昭和13年、当時の東京市に寄付され、一般公開されるようになりました。
昭和28年には国の特別名勝に指定された貴重な文化財です。
東京には、四季折々の自然を美しい形で味わうことができる、こうした庭園が数多く残されており、
田舎の手付かずの自然とはまた違った自然豊かな一面もあります。歴史の恩恵を深く感じるところです。
六義園は「回遊式築山泉水庭園」という形の庭で、大きな池の周りに遊歩道や橋、いくつかの山や滝などが配された、広々としたおおらかな庭です。
小高い山に登ってぼんやり池を眺めていると、昔の時代劇に出てくるような殿様と姫様が並んでたたずんでいるそんな光景が浮かんできます。笑
のどかな佇まいなのです。
そして何よりの魅力は、歴史を感じる巨大な大木群で、圧倒的な存在感を放っています。
春の若葉の頃も、秋の彩り豊かな季節も、冬の枝だけの木々もそれぞれに美しく癒しの存在です。
季節の花々
六義園は、枝垂れ桜で有名ですが、ツバキやつつじなど季節の花々も特別に美しく感じられます。
お手入れも場の気も良いのでしょう。
新緑の頃
大好きな蔵
佇まいが好きで、いつも色々想像を巡らしながら眺めているのですが、放置しておくのはほんとにもったいない。
美しさの極みを集めたギャラリー、前庭はオープンカフェ。
音楽は小さな音でクラシック、バッハ、チェロかピアノ曲。
美味しいお茶に洗練された小さな菓子。
秋から冬へ
秋の晴れた日にコーヒーとおやつ片手にでかける。木々に囲まれたベンチでぼんやり遠くを眺めながら熱いコーヒーを味わう。沁み渡るような幸せ感。
冬の木々。心惹かれるのは葉を落とした枝だけの大木。
枝だけになった冬の大木が好きで、人気のない庭園を歩く。研ぎ澄まされた時間。
近隣散歩
大和郷(やまとむら)
六義園を中心とするこの一帯は、大和郷(やまとむら)と呼ばれ、江戸時代には武家屋敷が立ち並んでいたようです。
明治になって、先に記したように岩崎弥太郎が購入し、三代岩崎久彌氏の時代大正11年に、六義園の南西側一帯が一区画150〜300坪で分譲されており、近代住宅地の始まりとされています。
六義園周辺の升目状の道路と大きな邸宅群が当時の趣を残していますが、さすがに建物はほぼ建て替えられ歴史を感じるものはありません。
東洋文庫
六義園すぐ近くにあり、六義園との共通入場券も販売されています。
こちらも岩崎久彌氏の文献収集をベースに構築された東洋学の専門図書館・研究所で、国宝や重要文化財など資料の貴重性とともに、日本一美しい図書館とも言われています。
時々に企画展も開催されています。
オリエント・カフェ
通りからは見えませんが、この建物の裏側は小岩井農場が運営する「オリエントカフェ」になっています。小岩井農場の設立者のお一人が岩崎彌之助氏。
シーボルトゆかりの植物が植えられた“シーボルト・ガルテン(庭園) ”が拡がる、隠れ家的カフェレストランで、小岩井農場産の乳製品・たまご・肉類を使ったメニュー豊富。
お休みや貸し切り、満席などがあるので、予約をおすすめします。