めずらしく食のメソッド本を買ってしまった。
一昨年から酵素を作り出し、腸の働きの重要さは再認識していたが、「ん?」と引っかかってしまったのが「消化管は他の臓器と違い、一本の空洞の管であり、入り口(口)も出口(肛門)も外に向かって開いていて空気力学の法則が通用する」という部分である。
まあ当たり前なのだが、「一本の空洞」という表現がシンプルで新鮮であった。そう考えると、流れをよくしてきれいに保つというイメージができる。
もう一点、この本を買ってみようと思ったのが、著者が著名な”自然療法士”で”オステイパシスト”であるという点。
科学者や医者ではなく、人間の体全体を観察し、自然治癒力をもって正常に戻していくやり方である。20年以上にわたる研究と実践を経て検証され、構築されたメソッドであることだ。
消化管の2つの流れと消化管の汚れが引き起こすもの!
タテの流れ
タテの流れとは、食べたものが、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸を通り、不要なものや有害な成分を排出する流れを指す。
消化管が、入口も出口も外に向かって開いていて空気を取り込むということは、上から下へと流れ、障害物があればスピードが落ちということである。
ヨコの流れ
ヨコの流れとは、消化管の壁から有用な物質を血液中に取り込み、全身に送られるシステムを指す。
また、消化管は逆方向にも通ることができることから、血液中にある毒素を消化管に排出し、便や尿として体外に排出する役目も担っている。
消化管の汚れがもたらす不調 〜病気の始まり
腸には体の免疫システムの80%が集まっているとされる。
消化の流れが遅くなり、消化管の壁に汚れが溜まり腐敗して呼吸ができなくなってくると、栄養の取り込みも毒素の排出もスムーズにできない状態になる。
これが体の様々な不調を招き、すべての病気の始まりとされている。腸が健康の要であると言われる所以である。
要するに「消化管は、体に必要のないゴミの主要な排出路」でもある。
ということは、腸管をいかにきれいな状態にしておくかか健康の要ということになる。
では、腸管をきれいに保つためにはどうしたらいいの?の答えがこの本の内容になる。
腸の流れを正常にするための手順〜基本的な食事の取り方
まずは、食事と食事の時間を4時間以上空ける
最近は健康のためにあれを食べれば、これを食べればという情報にあふれているが、何かを食べたり、飲んだりすることで何かしらの不調が改善するなどということは、ほぼ考えられない。
殆どはマーケティング戦略と思われる。
何事も、問題の解決は引き算。
この本でも、まずは腸に「すき間」を作ることが必要だとしている。食べることばかりに気を取られていては、腸の中は混線状態。
溜まった汚れを剥がれ落とし排出させるには”すき間”が必要!
食事と食事の間を4時間以上空けて、規則正しく食べることが食事法を始める下準備となる。超重要ポイント!!!
この、食べる間隔を4時間以上きちんと空ける効果は大きい。間食の多い人は、これを徹底するだけで、便秘解消やダイエットの第一歩となる。
腸の洗浄剤の役目として果物と非加熱オイルを摂取する
腸の汚れの落としの洗浄剤として、果物とオイルがあげられている。
特に、柑橘類と、非加熱オイル〜エキストラバージンオイル、アマニ油、ココナッツオイルは効果的!
水は軟水を飲む
日本の水は基本的に軟水なので、浄水器にかけたり、しばらく蓋を開けて沸騰させてから使えば問題ない。
朝、朝食前に白湯を飲む習慣を持つ人は多いかと思う。
運動は腸のマッサージ効果もある
消化管が正常に働かない原因として、①間違った食事法、②ストレス、③運動不足があげられる。
運動で体を動かすと、横隔膜が動くことで腸へのマッサージにもなり、ストレス解消にもなることから効果が大きいと思われる。
アダムスキー式腸活法の要〜食べ合わせ
ここががアダムスキー式腸活法の要!となる。
食べ物には、消化速度の早いものと遅いものがある。
その基準は食べてから腸に届くまでの速さで、3つに分けられる。
ファスト・・・30分で腸に届く
スロー ・・・ 食べて4〜5時間後胃を出て十二指腸に達し、ここから7〜9時間かけて消化される。排泄されるのは40時間後。 つまり正しい食事をとっても、常に5〜6回分の食事をお腹に抱えていることになる
ニュートラル・・・どちらでもない。どちらと合わせても消化のスピードを早める
ファストの食材とスローの食材を一緒に食べると全体の流れが停滞し、消化に18〜24時間かかる。結果腐敗蓄積されて正常に機能しない。
結局、アダムスキーの腸活法は「ファストの食材とスローの食材を一緒に食べない」この一点が要である。
よく使うファスト・ニュートラル・スローの食品一覧
ファスト | ニュートラル | スロー |
30分で腸に届く スロー食品と一緒に食べてはいけない | どちらと合わせても 消化スピードを早める | 食べて4〜5時間後胃を出る ファスト食品と一緒に食べてはいけない |
果物類(ココナッツ・アボガドは除外) 加熱したもの・ドライフルーツ・ 果物ベースのアルコール トマト🍅 パプリカ 🎃かぼちゃ 梅干し 唐辛子 カレー粉 パプリカパウダー タイム 緑茶 ヨーグルト はちみつ メープルシロップ | たまねぎ 🍆 ナス 長ネギ ニンニク しょうが ウコン クレソン ハーブ類 〜 イタリアンパセリ ローズマリー セージ・バジル フェンネル カモミール アニス・クミン わさび 胡椒 マスタード ワイン ビターチョコレート 牛乳 コーヒー・紅茶 油・酢・砂糖 | ファスト・ニュートラル以外の野菜類 穀物類 動物性・植物性タンパク質 海藻類 アボガド ココナッツ ナッツ類 種子類はすべて 豆乳 生クリーム チーズ みそ 醤油 |
組み合わせ絶対NGな食べ物
この腸活法の実践の最大のネックとなるのが、ファストの食材である「トマト」と「カレー粉」である。
特に、トマトはあらゆるレシピに使われ、付け合わせとしても絶対必需ともいえるレベル。
この2つを制すことがアダムスキー 腸活法実践の鍵となる。
・トマトは絶対に「消化の遅い食事」の中で摂取してはいけない
ex トマトソースパスタ・ピザマルゲリータ・カプレーゼ・などは絶対ダメ
・オムライス
・タンドリーチキン
・カレーライス
・チーズとフルーツ
・生ハムメロン
・かぼちゃのリゾット
・魚にレモン汁
・野菜のピリ辛ソテー(唐辛子と野菜の組み合わせ)
・フルーツタルトなど果物を使ったお菓子 *どうしても食べたい時はオリーブオイルを一口入れておく
・ジャム・はちみつを使った菓子類
・スロー食の後のフルーツシャーベット
・フルーツはちみつ入りのミューズリー
アダムスキー式メソッドの実践をイメージする
アダムスキー食事法の要は次の3点
◎ファスト食とスロー食を一緒に食べない。
◎ファスト食を食べた場合は、次の食事までの時間を1時間半以上開ける。
◎スロー食を食べた場合は次の食事までの時間を5時間以上開ける
この3点を守れば大枠ではOK!
この食事法が自分にとって有益なのか?めずらしく実験してみたい気になっている。アダムスキー 理論を実験するとして、どんな感じになるのか想像してみる。
アダムスキー さんはイタリア人。日本の食生活の中でのやり易さやりにくさが出てきそうだ。まず難しいことがどのくらい出てくるのだろう?
▪️トマトソースのスパゲティーやピザマルゲリータ・生ハムメロン・カプレーぜなどは食べられなくても大丈夫。
▪️チキンにスパイスをきかせて焼くことは大丈夫だけどカレー味が✖️
▪️醤油や味噌はなに?大豆・小麦系だけど発酵しているからニュートラル?
いえいえ、スローのようです。
▪️焼き魚にレモンは大根おろしを付ければまあいいかと思ったが、食べ合わせの問題で、日本では焼き魚に大根おろしは✕となっているものがある。?
▪️フルーツタルト自体は避けられたとしても、フルーツを使ったお菓子は限りない。
・グラノーラにドライフルーツを一切使えないのは味気ない!
・エナジーボールにドライフルーツが入らないのも厳しいかなー
・酵素残渣がニュートラルとして使えれば何とかokなのだが。無理かなー?
フルーツ系の甘いお酒もファスト になっているので。
・パンにドライフルーツを入れて焼けないのも残念。ナッツとドライフルーツを目一杯に入れて焼いたパンの美味しさ。あ~捨てがたい!
▪️日本人の多くに難しいのがカレーライス。 周期的に食べたくなるよ〜!ファスト/ニュートラルの野菜を使ったカレースープは作れるけどご飯かパンを付けたいところ。
▪️野菜サラダにはほとんどトマトがはいってます!
*スローの食材は幅広いので、一部の食材を除けばレシピ作りも自由だが、ファストに関してはずいぶんと限られる。
*それと、1日の中でどこにファスト食を入れ込むのかということ。
・ヨーロッパのように18:00頃にアペリティフを楽しむ習慣はない。フルーツをどこに入れ込むの?
・やはり朝食べたいよね〜 でも家で仕事をするときには大丈夫でも、外での仕事の時、炭水化物もタンパク質も入れずに昼まで持つかな〜
ファスト+ニュートラルの食材で食べ慣れているレシピを考えてみる
・ラタトゥイユ/ベジミネストローネ風
カレースープにしても良い。
玉ねぎ/トマト/ナス/パプリカ/ニンニク/オリーブオイル/タイム/バジル/塩こしょう
・かぼちゃのポタージュ
かぼちゃ/玉ねぎ/オリーブオイル/牛乳/塩こしょう
・トマトスープ
玉ねぎ/ニンニク/トマト/ハーブ/オリーブオイル/塩こしょう
カボチャを加えると食べ応えのあるポタージュスープになる。
・トマトサラダ
トマト/玉ねぎ/ハーブ/オリーブオイル/酢/塩こしょう
・かぼちゃサラダ
かぼちゃ/玉ねぎ/レーズン /🍎/オリーブオイル/酢/塩こしょう
・野菜・フルーツサラダ
玉ねぎ/エシャロット/トマト/パプリカ/ドライフルーツ/リンゴ/キーウイ/柑橘類など/オリーブ
クレソン/フレッシュハーブ/オリーブオイル/レモン/かぼす/ゆずなど/塩こしょう
・フルーツヨーグルト
フルーツ色々+ヨーグルト
・緑茶 ・ ・フルーツティー
とりあえずこのくらいしか思いつかない。この辺りの組み合わせで、あるものを使えばいい。
まとめ
この食事法の肝は、ファストの食材をスロー食材と混ぜて食べないというシンプルなものだ。
ファストの食材は数少ないので、実践しようと思えばそう難しいことではない。
特に、自分の食事を自分で管理している立場であれば、多少これまでの習慣を変えたり、しばらく我慢すればすぐに慣れる。
やってみる価値はありそうだ。