「健康のためにはどういう食事の仕方が良いのだろう?」「どういうものをどのくらい食べれば良い?」
食情報があふれるなかで、混乱することはないだろうか?
「あー面倒くさい!食べたいものを食べておけば良いよ〜」となりそうなところだが、やはり健康の要は食事!絶対的正解がない以上、バランスよく満遍なく食べることが無難というものだ。
「日本人の食事摂取基準」というものが厚生労働省から出されている。
多くの専門家が長年にわたり研究実証して得た数字である。絶対的なものではないにしても、日々の食生活の指標として活用したい。
食生活の基本パターンを作っておけば、食べることがずいぶん楽になるし、健康にも役立つだろう。
食のマーケティング情報に振り回されることもない。
健康な時って肉体を感じない。痛かったり重かったりがなく軽快で、そういう状態だと自分の体の反応がよくわかる。
この気持ち悪さはあの食材のせいかな?とかこういう組み合わせで食べると調子いいな!とかがなんとなく感じ取れるようになる。
それには規則正しく、腹7〜8分目。基本的な食習慣を試行錯誤しながら自分で積み上げていくしかない。
ちょっと面倒だと思っても、スキマ時間に下記の計算方で数字を出しておけば、過不足ない食事の目安にはなる。
自分の「1日に必要なエネルギー量」を割り出す
自分のBMI=肥満度は?
・適正体重(BMI)は身長と体重から割り出す。
・体重(キログラム)➗ (身長<メートル>✖︎ 身長<メートル>)
ex身長160cm/体重50kgの人であれば 50 ➗ (1.6 ✖︎1.6 ) = 19.53 となる。
・18.5から24.9までを正常とし、それ以下は痩せ、それ以上を肥満としている。
・標準体重はBMI=22
身長に対しての適正体重は?
・適正体重=身長(メートル)✖️ 身長(メートル)✖️ 22
ex 身長160㎝の人であれば 1.6✖️1.6✖️ 22=56.32で約56Kgが適正体重となる。
自分の基礎代謝量は?
基礎代謝量=適正体重 ✖️ 22,3 男性30〜49歳の場合
21.5 男性50歳以上
21.7 女性30〜49歳の場合
20.7 女性50歳以上
ex の例が30歳女性だとすると 56Kg✖️ 21.7=1215キロカロリーがこの人の1日の基礎代謝量となる。
基礎代謝量に活動レベルを加味したものが1日の必要エネルギー量
1日の必要エネルギー量=基礎代謝量 ✖️ 1,5 30〜69歳 男女 活動レベルの低い場合
1.75 活動レベル普通
2.0 活動レベル高い
ex の例で活動レベルの低い人であれば、基礎代謝量1215キロカロリー ✖️ 1.5 = 1822.5
1日約1800キロカロリー を目安に食事量を考えればいいということになる。
以上これが個別の計算式である。
大まかな目安量として男性は 2400〜2700kcal/日 女性は 1850~2050 kcal/日とされている。
各栄養素の1日の必要量は?
炭水化物
炭水化物は総エネルギーの50~65%とされているので、ex の例でいくと
1800kcal ✖️ 0.5~0.65 = 900~1170kcal が炭水化物のI日の必要エネルギー量となる。
炭水化物のエネルギー量は1gあたり4kcal なので
900~1170kcal ➗ 4kcal = 225g~292gが適量範囲
ちなみに炭水化物の中で食物繊維は、1日24g以上、できれば1日の必要カロリー1000kcalあたり14gが理想とされている。
脂質
脂質は3種に分類されているがそれぞれの摂取基準が出ている
・飽和脂肪酸 ~ 総エネルギーの7%以下
ex 1800kcal ✖️ 0.07 ➗ 9kcal = 14g (脂質は1gが9kcal)
・n-6系脂肪酸 ~ 総エネルギーの男性10% 女性8%
ex 1800kcal ✖️ 0.1 ~ 0.08 ➗ 9 = 20 ~ 16g
・n-3系脂肪酸 ~ 総エネルギーの男性 2 ~ 2.2 % / 女性 1.6 ~ 2.2%(高齢になる程多く!)
ex 1800kcal ✖️ 0.022 ➗ 9 = 4.4g
*ex 1800kcalのところに、自分の1日の必要エネルギー量を入れれば、
自分のそれぞれの値が出ます。
タンパク質
タンパク質は総エネルギーの13%~20%程度が必要とも、体重1kgにつき1g~2gともされている。
数字にかなりの開きが出てくるからか、タンパク質に関しては推奨量が出されている。
計算式からすると少ない気もするが。(タンパク質も1gが4kcal)
タンパク質(g/日)の推奨量 男性65/日 女性50/日
ビタミン・ミネラル類
男性 | 女性 | 上限 | |
---|---|---|---|
ビタミンA(μgRAE/日) | 900 | 700 | 2700 |
ビタミンD(μg/日) | 8.5 | 8.5 | 100 |
ビタミンE (㎎/日) | 7 | 6.0 | 850〜900 650〜700 |
ビタミンK (μg/日) | 150 | 150 | |
ビタミンB1(㎎/日) | 1.3〜1.4 | 1.1 | |
ビタミンB2(㎎/日) | 1.6 | 1.2 | |
ビタミンC(㎎/日) | 85〜100 | 85〜100 | |
ミネラル600(mg/日) | 7.5未満 | 6.5未満 | |
カルシウム(㎎/日) | 750 | 650 | 2500 |
鉄(㎎/日) | 7.5 | 10.5〜11 | 40 |
現代の食生活は、炭水化物・脂質・ナトリウムに注意!
炭水化物(糖質と食物繊維からなるがそのほとんどは糖質である)は、穀類・豆類・野菜果物などほとんどの食物に含まれている。
調味料や加工品にも多くの糖質が含まれているので、改めて数字にすると驚くかもしれない。
現代の食生活において、その過剰摂取が問題となるものが、炭水化物の中の糖類・脂質・ナトリウムの3種である。
無意識に食べていると過剰摂取になる可能性が大きく、ビタミンやミネラルが不足しがち。
体の微妙な不調は、特定の栄養素の取りすぎや不足からきている場合もある。1日にこういうものをこれくらい食べれば栄養的に過不足ないだろう、というところを把握して、その上で体の状態を感じながら自分なりの調整をしていきたい。
***この栄養摂取基準は、健康な個人を対象に、健康の維持増進、生活習慣病の予防などを目的に出されている数字で、出典先により多少の数字の違いもあり、より細かい区分けもあります。
より詳細な情報が必要な方は、個々に調べて下さい。
ここに表記したのは、厚生労働省やとうきょう健康ステーションを参考に30~69歳あたりの幅でまとめています。
推奨量とあるのは、不足のリスクがほとんどないもの。目安量とあるのは、十分な科学的根拠が得られないため、目安量を摂取していれば、不足するリスクが低いとされているもの。
耐容上限量が記されているものは、その値を超えると健康障害が発生するリスクがあるというものです。通常の食品摂取ではほとんどあり得ないと思いますが、サプリなど多用している場合は注意が必要かもしれません。
最近、無料の栄養価計算サイトが見られます。一度、自分のI日の食事内容を入れて数字にしてみると、
日頃の食事の不足と過剰が把握でき、食生活の一つの指針になると思われます。